昨年12月20日県議会最終日に、黒岩県知事が神奈川県で東北被災地の災害廃棄物、
いわゆる「災害がれき」受入れを表明してから様々な問合せが近藤事務所にあります。
東日本大震災により岩手県、宮城県、福島県の東北3県で発生した震災がれきは、通常の排出量の10年分にあたる約2300万トンにもおよびます。
近藤も昨年、岩手県山田町、宮城県石巻市、女川町で活動をしてきており、がれきの山のなかで走り回る重機の様子や、がれきの山も鉄くず・燃えるごみなどと分別されている事など、現地の状況はこの目で確認をしてきています。
黒岩知事も1月に岩手県や宮城県を訪れ、岩手県宮古市に野積みされたがれきは71万トンにも上り、同市が通常処分する量の35年分に相当する事が報告されています。
震災がれきの処理は、国難を乗り越え東北が再生するためには避けては通れない課題であることは国民も十分に理解していると思いますが、多くの方が心配するのはやはり放射性物質の再拡散のことでしょう。
神奈川県は、原発事故のあった福島県のがれき処理は想定しておらず岩手県、宮城県のがれき処理を想定しています。
受け入れるがれきは、法律上は放射能汚染とされない1キログラム当たり100ベクレル以下としており、焼却後の焼却灰も国の基準を上回る事はないとしています。
神奈川県としては、国の基準をもとに受入れの方針をだしていますが、国には安全とする基準の根拠を示すよう求めるとともに国民にたいし丁寧に説明をしていただきたい。
黒岩知事は、「地元の理解」が震災がれき受入れの大前提としており、黒岩知事自らが説明し意見交換を行う事も表明しています。
意見交換会として開催される「対話の広場」は、全2回で横須賀会場と横浜会場にわかれており第1回目開催分の申し込み期限が16日までと迫っているのでお知らせします。
第1回目は、1月20日(金)19時~21時、横須賀市立総合福祉会館5階ホール(横須賀市本町2-1)。
第2回目は、1月30日(月)18時半~20時半、神奈川県本庁舎3階大会議場(横浜市中区日本大通1)。
申込方法は、神奈川県ホームページ、電話、はがき、faxのいずれかでお申し込みください。
ホームページで申込む方は、申し込みフォームに必要事項を入力ください。
ホームページ以外で申込む方は、次の事項を記入いただき郵送、送信ください。①希望会場②氏名(ふりがな)③住所④電話番号⑤当日発言したい内容⑥お子様の人数(保育を希望される方のみ)
申込先
神奈川県環境農政局企画調整部企画調整課
〒231-8588 横浜市中区日本大通1
電話:045(210)4026 FAX:045(210)8844
神奈川県のホームページhttp://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f362096/
震災がれきは、県内の市町村で焼却し、灰は県の産業廃棄物最終処分場である「かながわ環境整備センター」(横須賀市芦名)などで引き受けることになるはずです。
焼却に関しては、3政令市が前向きであり、運搬方法や放射能測定頻度などを「処理マニュアル」として共同でまとめる方針がだされています。
灰を受入れるとしているかながわ環境整備センターは、2006年に完成し容積は75万立方メートル、現在の使用率は約18%であり、搬入基準が厳しく手数料も高いため利用率は低調で、同センターが満杯になった後には、都市計画道路が整備されることとなっており、地元の声に応じて利用率向上のための議論が議会で行われた経緯があります。
近藤は、県の所管する産業廃棄物の最終処分場は今後整備する事が難しい事から、搬入基準は厳しいままで大事に使用すべきと質した次第です。
同センターは、産業廃棄物向けに建設された経緯があり、一般廃棄物に当たる震災がれきの受入れには、地元町内会と結んでいる協定書の見直しが必要であるとともに、吉田横須賀市長をはじめ横須賀市の協力も必要です。
地元からは安全性を懸念する声が出ており、吉田市長は新聞コメントによると「被災地は困っており、安全性が確認された上での処理の必要性はある。どういったものを運び処理するのか、県から地元に十分に説明する事が大事」と地元の理解を得るように県に対して注文をつけています。
黒岩知事も地元の理解が受入れの大前提としている事から、震災がれきの受入れにはまだ紆余曲折あることが想定されます。
近藤も2月から始まる議会にて論戦に参加し県の対応を質していきます。