12月定例県議会報告

「21年度予算が足りない!緊急財政対策プロジェクトチーム発足」
米国発の全世界金融問題や米国経済の減速と原油原材料の高騰などに伴い、
企業や農林水産業の収益悪化を受け、今後数年に渡り本県の歳入の根幹をなす
法人二税を中心に大幅な歳入不足が予想されます。
21年度予算編成において約2000億円が不足することが
知事よりあきらかにされました。
既に平成19年度の県税決算額が9年ぶりに最終予算額を下回り、
現時点における平成20年度の県税収入見込みも、
当初予算額に対して200億円以上の減収となることが報告されています。
9月11日には予算編成に先立ち、
知事を本部長とする緊急財政対策プロジェクトチームが設置されました。
県有財産の売却、新規公共事業の凍結、事務事業のスクラップアンドビルド、
真に求められる事業の選択と集中をはかり、予算編成が進められています。
今後、議会の審査能力が一層問われる事は間違いありません。

緊急提案!「知事等の特別職の給与減額」
12月定例会最終日の18日、知事給与の20%と副知事給与の15%を
来年度から2年間削減する事が提案され、議会議決されました。
来年度の厳しい財政状況を勘案した知事の判断です。
現在、民主党かながわクラブ県議団において、
議会費を見直すためのプロジェクトチームを発足させ、
議員期末手当削減や視察の凍結等歳出削減を検討しています。

議員提案!「神奈川県議会基本条例」が全会一致で可決
12月定例会最終日の18日、約10ヶ月間に及び議論を重ねてきた、
「県議会基本条例」が可決されました。
本県議会史上初めての議会版パブリックコメントの実施や
参考人として学識経験者から意見を伺いながら条例を作り上げて来ました。
三重県、福島県、岩手県に継ぐ、全国4番目の制定となりました。
議会議員の権能等を規定している地方自治法は制定後60年を経過していますが、
幾多の改正にもかかわらず、議会活動については依然として
制定当初からの制約的な条項が残されており、
議会が期待されている役割を果たしていくために必要な権限が
十分に担保されていないのが実情です。
条例は、議会の透明性確保や知事の反問権を認めるなどなど、
議会活性化の指針が盛り込まれ議会の憲法と位置づけられるものです

都道府県初の「自治基本条例」、全国初の「犯罪被害者等支援条例」が提案
12月定例会において、自治体として先進的な条例が提案されるも、
自民党、公明党、県政会の3交渉会派の多数により継続審査となり、
制定には至りませんでした。本会議場での討論によれば、
自治基本条例においては県政重要案件における県民投票の実施に至る時の
市町村や県民の理解不足、また犯罪被害者支援条例では、
条例を実効性あるものとするための推進計画の不備など、
いずれも条例の熟度が低いことが継続審査の理由。
拙速に判断することは、避けるべきですが、
市長村長との意見交換や県民のパブリックコメントを実施するなど、
いずれも条例制定のためのプロセスを重要視し、
時間をかけ県議会にも報告する中での条例提案です。
県政課題が山積し、犯罪被害で苦しむ県民がいることを考えると
早期に条例が制定されることを求めます。

「公共的施設における受動喫煙防止条例(仮称)」及び
「地球温暖化対策推進条例(仮称)」の素案が議会提出
12月定例会において、松沢知事が選挙公約にあげた
先進条例「ローカルルール11」の審査が大詰めを迎えています。
本条例が提出されるまでの間、県常任委員会では数回の議論する場があります。
(骨子案→骨子→素案→条例案提出)
この事は、逗子市議会議員時代では事前審査のそしりを免れず、
県議となって驚いた事のひとつです。条例の制定までに時間はかかるものの、
条例提出後、修正案を提出するよりも議員の意見が反映されやすいと
考えています。
実際、私が提案して条例に反映されたものもあり、
定例議会閉会中も毎月常任委員会が開催される県議会だから実行できると考えます。
松沢知事は、いずれの条例案も年度内(2009年2月定例会)の成立を目指すも、慎重審議を求める声も多く成立は微妙となっています。

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