(↑大雪により相模原市緑区の林道が閉鎖された様子)
2月8日及び14日から15日の大雪は、関東甲信越などに大きな被害をもたらしました。記録的な大雪から20日間、神奈川県内の深刻な影響が浮かび上がっています。
県は、大雪から1周間の時点で農林畜水産被害金額を5億6300万円と発表しましたが、農林水産省から積算の変更を求められるとともに被害報告が増え3月5日時点で被害金額の合計は、33億2200万円に上りました。
農業関係被害では、イチゴ、トマト、カーネーション等を栽培しているビニールハウスやガラスハウスの倒壊・破損が499件。
畜産業被害では、牛舎、豚舎、鶏舎、堆肥舎の倒壊・破損が53件。
生乳の廃棄や子豚・鶏の死亡被害も報告されました。
林業関係被害では、木材加工施設の屋根やしいたけ栽培用のビニールハウスの倒壊・破損。
水産業関係被害では、台船が転覆、船が雪の重みで沈没する報告がありました。
被害にあわれた皆様の生産回復が1日も早く進むように、県としても出来る限りの支援をしていきたい。
ただし県の支援は、融資などであることからこの緊急事態からの復旧には新たな支援が必要であると考えます。
農畜産業者の多くはビニールハウスや牛舎などの設置にローンを組んでいる人が多く、倒壊施設の撤去費用と再建のために二重ローンを組むことはかなりの覚悟が伴います。
県は、すでに緊急相談窓口を設置し対応を進めていますが廃業を検討している人も少なくありません。
都市の一次産業は、907万県民の食を支えるだけでなく雇用や都市環境の充実など様々な恩恵を私たちに与えてくれます。
何とかこの緊急事態を解決したい!
3月上旬に国が復旧経費の緊急支援を決定したことから県としても支援のあり方を再検討すべきです。
今回の大雪被害により道路の除雪費用も数億円に上っています。
これまでの大雪被害では1997年が最多でありましたが2014年今回の被害が過去最多の被害額となりました。
また考えるべきは、この記録的大雪で道路の通行止めなどにより孤立状態に陥った人が1都9県で最大2万人以上に上ったことであります。
昨今の異常気象による様々な自然災害に対して県は対策の再考を迫られているのは論をまちません。またそれぞれの地域で行う自助・共助についても市町村を中心に再考を求めたい。
住民の生命と財産を守り住民福祉の向上に務めるのが自治体の使命。
大規模災害については、ひとつの自治体で対応するだけでなく都道府県間で協力しあう広域連携を一層進めて、住民の安全と安心を確保したい。