神奈川県が相模湾沿岸海岸侵食対策計画(改訂素案)のパブリックコメントを募集しています。
相模湾沿岸では河川などからの土砂供給量の減少により海岸侵食が進んだことから、県は砂浜の回復・保全を図る同計画を平成23年に策定しました。
コンクリートに頼らない、養浜(砂の供給)による海岸復元を進める、全国に誇る善政です。
ダムの浚渫土砂などを使うことから、砂質のことなど課題は残りますが、海岸をコンクリートで固めるより絶対にいいと考えるのです。
近藤はH19年の県議初当選から侵食対策について質してきました。
ことの始まりは、葉山町と横須賀市にまたがる長者ヶ崎の横にある久留和海岸に100m以上ものコンクリートバー(防潮堤)2基を作る計画を見直させることでした。
豊かな漁場でありサーフポイントでもあり風光明媚な同地区にナンセンスな公共事業でありましたが、H15年の高潮により同地域を走る国道が崩れ、その時には計画を見直すべきだと言う声はありませんでした。
反対だけでは何も改善されず、何を肯定すべきかが皆わからなかったということもあります。
私は当時、逗子市議会議員でありましたが、漁師や初老の方に昔の浜のことを聞いて回り「昔は皆で野球をしたもんだ」という話がヒントになりました。
約30mは海岸線が後退していることがわかり、養浜の実施を求める運動を展開していきました。
詳細は他に譲りますが、海流や漁場への影響から砂ではなく礫(レキ砂利)による養浜となり、今では海岸線は約20m復元され復元された国道にも影響はありません。
「横須賀の海を守る会」(スカ海)の皆さんとの濃密な時間は今でも覚えています。
皆で何万筆もの計画見直しの署名を集め県知事室まで手渡しにも行きました。
当時は松沢知事であり、既決されていた計画を見直してくれた英断に敬意を表します。
今回のパブリックコメントは、今後10年間の相模湾沿岸の保全計画に影響を与えます。
海岸線は様々であり、自然石と砂のハイブリッド養浜や偏在する砂を移動する維持養浜の徹底など新たな着眼もあると思います。
同計画には昔のそれぞれの海岸線を知れる情報もありますのでご確認ください。
時間とともに養浜砂も馴染んでいきますので、是非とも中長期的な視座を持っていただけたらと思います。
そして「美しいなぎさの継承」を目指し奮闘する県職員に対してエールを送っていただけたら嬉しく思います。
パブリックコメントは令和3年1月19日まで!
宜しくお願いします。
#養浜 #海岸侵食 #高潮 #相模湾 #海岸侵食対策計画
https://www.pref.kanagawa.jp/docs/jy2/pub/c5774482.html