逗子市小坪漁業共同組合の取組むキャベツウニ

2022年、116日今年初となる磯焼け対策(観測地点のウニ調査捕獲)を実施する予定でしたが明け方に発令された津波注意報により延期としました。
この機に多くの問合せをいただくキャベツウニの取組について報告します。
2019年より様々な協力者とともにスタートした逗子湾そして大崎の磯焼け対策。
そして2020年から始まった小坪漁業共同組合によるキャベツウニの養殖。
2021年の育成から6月下旬の出荷までをレポートします。
2019年、海を愛する者の1人として、豊かな海洋環境ひいては地球環境を育む沿岸部の海藻群がなくなる「磯焼け」を何とかしようと立ち上がりました。

(海藻が消失しムラサキウニだけがいる逗子湾の一部)(11月定点観測エリアの調査捕獲)(県立水産技術センター職員、協力してウニ駆除の効果を調査しています)

(捕獲したウニの計測)

(葉山にて海に潜り海藻アラメの種付けも実施しています)

原因は様々あることは承知していますが、まずは海藻をエサとするウニの大量発生を解消しようとウニ駆除(堆肥化)に取組ました。
地球の大いなる自浄作用の一つとして海の掃除屋でもあるウニが大量発生するとも考えましたが、激変する地元の海に座して待つこともならず悲痛な漁師の訴えがトリガーとなり、磯焼けの原因の一つである大量発生するウニの駆除をはじめました。
良かれと思ってやった事も当初は様々な意見をいただきました。
その一つがウニ駆除ではなくウニ養殖です。
神奈川県立水産技術センターが始めたことでもあり養殖漁業は持続可能な漁業を考える上でも重要なことであり私も支援を惜しみません。
磯焼け対策を始めた2019年より漁業組合にキャベツウニに取り組もうと話をしていましたが、生簀の設置個所や海水の安定確保に販路はあるのか?など様々な課題がありスタートは2020年。
大竹組合長や率先して取組む漁師の太一くんなどの奮闘に敬意を表します。
重ねて当初より大量のウニを堆肥化してくれる葉山牛生産者である石井ファームの裕一くんに感謝します。
(石井ファームの裕一くんと近藤)

(発酵完熟したウニ堆肥と農業利用、天然の栄養分が多い肥料として高評価)

小坪漁業組合では4月ごろに逗子沿岸部のムラサキウニを採取して自作の生簀に入れるのですが、なかなかウニは繊細な生き物でして海水から離れ生簀に入れる間にほとんど死んでしまったのが2020年。
(再捕獲して見事成功!)

三浦半島の名産キャベツの農業廃棄物となる部分をエサにするという着眼は素晴らしいながらもウニは好んでキャベツを食べるわけではありません。
生簀にウニを入れた当初は好物である海藻とキャベツのハイブリッドエサを与えてキャベツに慣らします。
沿岸部の掃除屋も好き嫌いがあることがわかりました。
キャベツを与えるも浮くか沈むかのどちらかであり、生簀中層部にいるウニは身入りが悪いこともわかっています。
一番大事なのは水温、小坪漁港では漁港内の海水をポンプで吸い上げウニ養殖をしていますが、海水温が高いと放卵したりカタチがまとまらない身になることもわかりました。
より冷たい海水で長期育てるのがポイントであり、陸上生簀で飼育する場合は海水温の低い深場から海水を吸い上げるなどすることが改善点。
2021年は約4000個のキャベツウニを養殖したとのことです。
他方、逗子湾で行うウニ駆除は、はるかにこの量を上回ります。
そして年に4回行っていますが、ウニが減ったと実感できないほど磯にはウニがいるのが現状です。

2021年の逗子産キャベツウニの出荷は6月下旬がピーク!地元逗子発祥のスーパー「スズキヤ」がキャベツウニを買い取るなど地域漁業を支えてくれています。
味は上々食べるものによってウニの味も当然変わります。
キャベツウニは、磯の香りとともに独特な豊かな甘さがあり格別です!
そして漁師、サーファーに畜産家にスーパーなど様々な主体が集い地域環境保全に取組む地元逗子葉山が何よりも最高です。
キャベツウニが地元の名産になり、かつ自然環境が少しでも良くなれば本望です。
やっぱり地元はイイ
逗子葉山だいすきです😆
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