黒岩知事震災がれき受入れ表明

県議会12月定例会、最終本会議での知事の震災がれき受入れ発言に対する問い合わせが多いので、内容をお知らせします。
以下、黒岩知事の発言内容です。

「東日本大震災に伴う災害廃棄物の受入れ問題」に関する県の対応方針についてその考えを申し述べます。
東日本大震災に伴う災害廃棄物、いわゆる震災がれきの受入れ問題について私はこれまでずっと悩んでまいりました。福島県、宮城県および岩手県の3県では、東日本大震災により通常の排出量の10年分以上となる、約2300万トンの震災がれきが発生しております。
この震災がれきの処理は国難を乗り越え、東北が再生していくために避けては通れない課題であります。そのために国民全体で力を合わせて救いの手を差しのべなければなりません。特に、大震災発生の切迫性が指摘されている本県にとってはまさに他人事ではありません。
こうしたことから私としては県民の皆様のご理解をいただいた上、神奈川県内で震災がれきを受入れ、被災地の復興に全面協力したいと思います。
もちろん福島第一原子力発電所の事故に伴い県民の皆様が放射能汚染について不安を感じられておられることも、十分理解しているつもりであります。
そこで本県が被災地から震災がれきを受け入れる際の条件としては、震災がれきの放射能濃度のレベルを1キログラム当たり100ベクレル以下にしたいと考えています。
1キログラム当たり100ベクレル以下のものは、震災前から「核原料物質、核燃料、及び原子炉の規制に関する法律」により、放射性物質に汚染されたものとして扱う必要がないとされております。また、東京都がこれまでに受け入れている岩手県からの震災がれきの放射能濃度の実態も100ベクレル以下となっており、県民の皆様のご理解が得られやすいのではないかと思います。
さらに受け入れた震災がれきの焼却後の焼却灰については、県が有する最終処分場でも受け入れていきたいと考えております。ただ、地元の皆様のご理解が前提でありますので全力をあげて、関係する方々と調整してまいります。
そのため、年明けに「対話の広場」を開催し私自ら地元の皆様をはじめ県民の皆様に直接ご説明しご理解を得られるように努めていきます。
震災がれきの受入れについて現在検討している横浜市、川崎市と今後「処理マニュアル」の策定や最終処分の扱いなどについて早期に調整を行い県内への震災がれきのできるだけ速やかな受入れを実現します。
また、現在受入れを検討しているのは3政令市だけですがそれ以外の県内市町村・一部事務組合にも震災がれきの受入れに関する県の考え方をお伝えし、改めて受入れを働きかける等、県と市町村が連携し震災がれきの広域処理体制の構築に取り組んでまいります。
県会議員の皆様には、今後その経過を逐次報告してまいりますのでご理解とご協力をお願いします。

以上が黒岩知事の発言でありますが、速記と当日急きょ開催された環境農政常任委員会資料をもとに書き起こしたものである事を申し添えます。
震災がれきは、法律上、一般廃棄物でありそのための焼却炉等を有する市町村が主体となって対応する必要があります。こうしたことから環境省が市町村を対象に震災がれきの受入れ検討調査を行ったところ、県内では横浜市、川崎市、相模原市の3市のみが受入れを検討するとしています。なお、3市の検討課題は、①震災がれきそのものに係わる放射能濃度の基準の明確化があります。この事は、国の放射能濃度の考え方として、焼却灰で1キログラムあたり8000ベクレルを超えないよう示しているが、震災がれきそのものに係わる放射能濃度の基準がなく基準を示す必要があるという事。②焼却灰の最終処分場の残余容量が少ない事から処分先の確保が必要であるという事です。

知事の発言と3政令市の検討課題から、1キログラム当たり100ベクレル以下のものは、震災前から「核原料物質、核燃料、及び原子炉の規制に関する法律」により放射性物質に汚染されたものとして扱う必要がないとされていることとし、震災がれきの焼却を3政令市が行い焼却灰の最終処分先を神奈川県が確保すると考えます。

神奈川県の持つ最終処分場は、横須賀市芦名にある「かながわ環境整備センター」だけであり、県の事務である産業廃棄物の最終処分場です。跡地利用として都市計画道路の坂本芦名線を建設する事を条件に整備されたものですが、産業廃棄物のリサイクルが進んだことにより受入れ量が少なく道路整備が先送りされているのが現状です。最終処分場が延命出来ている事は喜ばしい事なのですが、道路整備を条件通りに進めるよう求める声もあります。。。

近藤は、被災地を3回訪れ何か所も現場を見ており、山のように積まれたがれきの処理の困難さは理解していますが、都道府県が対応する前に国がやるべき事があると指摘したい。
被災地は、大震災により地盤沈下を起こしているところが多く、地盤面をかさ上げする事が急務です。また、復旧を急ぎたい被災県に対し、建築制限をかけ復興計画や都市計画の見直しが出来るまで復旧に待ったをかける国の対応を批判する声が多数ありました。
震災前のように復旧するだけでは、津波被害は防げない事から政府の葛藤も一定理解しますが、やはり対応が遅いと言わざるをえません。
震災がれきは、地盤沈下した場所の復旧に使うと共に、津波に強いまちづくりを進めるための人工地盤材料に利用できると考えます。
神奈川県の山下公園エリアも関東大震災による震災がれきで埋め立てられていると承知しています。
黒岩知事の言われるように、国難に対し国民全体で力を合わせるということに異論はないが、神奈川県の出来る事は国に物申す等まだまだ出来る事がある。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です